『クスリの知識』

クスリの飲み方
クスリを飲むときは
その他の注意事項

参考:大学病院薬剤部が配布している資料 


クスリの飲み方

 1.「食前服用」と指示してある薬は、食事の30分くらい前に飲みましょう。食欲促進剤や吐き気止めなどは食前に飲むと効果的です。

 2.「食後服用」と指示してある薬は、食事の30分くらい後に飲みましょう。胃が空の時よりは胃腸障害が少なくて済みます。食事ができなかった場合は牛乳やクッキーを少し摂ってから薬を飲むとよいでしょう。よく飲み忘れる人は食直後の飲んでも薬の効果に大差はないのでかまいません。

 3.「食間服用」と指示してある薬は、食事の2時間くらい後に飲みましょう。食間とは食事と食事の間の空腹時のことです。漢方薬などのように、食事により薬の吸収に差が出る場合に効果的です。

 4.「寝る前服用」と指示してある薬は床につく30分くらい前に飲みましょう。抗アレルギー薬の多くは眠くなる為寝る前に飲みますが、気にならない人は夕食後に飲んでもかまいません。骨粗鬆症の薬や鉄剤などのように食物に影響されやすい薬は、空腹時に近い寝る前に飲むとよいでしょう。

 5.「舌下にふくむ」と指示してある薬は、舌の下に入れて自然に溶かします。狭心症薬のニトログリセリン錠は飲んでも効果はなく、舌下から直接吸収されて血中に入り、発作を予防します。

クスリを飲むときは

 1.薬を飲むときは、白湯か水で飲みましょう。その量は、薬が食道に引っかかるのを防止するためと、胃の中でよく溶けるためにコップ1杯が適当でしょう。食道に引っかかって潰瘍を起こす薬もあるため注意しましょう。

 2.アルコール飲料で薬を飲まないようにしましょう。中枢神経を抑制する精神安定剤などと同じ作用を持つアルコール類を同時に飲むと、薬の効果が強く表れて危険な状態になることがあります。また、血糖降下剤や抗生物質の中にはアルコール摂取により二日酔い状態になるものがあります。

 3.牛乳やジュースで薬を飲まないようにしましょう。抗生物質の一部などに牛乳やジュースの中のカルシウムと結合して効果のなくなるものがあります。また、グレープフルーツジュースは多くの血圧降下剤の効果に悪影響を及ぼします。

 4.お茶やコーヒーで薬を飲まないようにしましょう。お茶やコーヒーに含まれるカフェインは痛風に用いる尿酸合成抑制剤や気管支喘息に用いるテオフィリンなどの副作用を増強させます。お茶の中のタンニンは貧血治療用鉄剤の吸収にほとんど影響を与えなくなります。

その他の注意事項

 1.2種類以上の点眼薬をさすときは、5分以上あけてから次の薬をさしましょう。量は1滴で充分です。寝る前の点眼は差し支えありません。

 2.坐薬は水分で溶けるものもありますが、多くは体温で溶けますので、冷蔵庫で保管しましょう。解熱鎮痛剤の坐薬は直腸から吸収されて内服するより早く効き、副作用も少なくて済みます。1日1〜2回の使用が一般的で、指が第一関節が入るくらいまで入れてください。

 3.服用回数、服用量は必ず守りましょう。薬はたくさん飲めば早く治るものではありません。2回分を一度に飲んだりすると思わぬ副作用や中毒を起こすことがあります。

 4.薬は湿気がなく直射日光があたらないところに保管しましょう。子供の手の届かない缶の中が最適です。要冷品は誤飲を防ぐためにはっきりと薬とわかるようにして冷蔵庫に保管しましょう。