パニック障害 Panic Disorder
「パニック障害」は、特に身体の病気がないのに、突然、動悸、呼吸困難、めまいなどの発作(パニック発作)を繰り返し、そのため発作への不安が増して、外出などが制限される病気です。
一生のうち1回でも「パニック発作」を起こす人は、10人に1人で、その中の4分の1の人がパニック発作を繰り返し、「パニック障害」へど進展します。
症状
「パニック障害」の症状の特徴は、繰り返す「パニック発作」と、その発作がまたおきるのではないかという「予期不安」です。
「パニック発作」は、突然前触れもなく、動悸、息苦しさ、めまい等の症状が出現し、そして、同時に「自分がコントロールできない」、「死ぬんじゃないか」、「気が狂うのではないか」という耐え難い恐怖を伴うことが多いのです。
以前パニック発作がおきた場所や、おきると助けが得られないような状況、例えば渋滞中の車、電車やバスなどを避けるようになります。そうなると、一人で外出することが困難となり、学校や会社にも行けなくなります。このような状態を「広場恐怖」と呼んでいます。
どのような人がかかりやすいか
パニック障害は大変患者数も多い病気で、男女を問わずみられ、発病の年齢を調べてみると、十代から四十代にかけての幅広い年齢層に及んでいて、働き盛りのサラリーマンや主婦に多発しています。
発病前は、心身ともに健康な、ごく普通の人々です。性格面でもあまりかたよりはみられません。ただ、一部に、元来ものごとを気にしやすい内省的なところの目立つ人々が含まれています。また、喧嘩やケガや事故や死などといった、こころに何か攻撃的な印象を与える事柄を極度に怖がる人々も含まれています。対人関係でもできるだけ対立する関係にならないように気を遣って暮らしているので、傍目には温和で素直で、真面目なお人よしの人物とみられます。
原因
・暮らしのストレス
・中枢神経系の原因
治療
薬物療法を中心に、認知・行動療法を併用することがあります。
家族や周囲の人の対処法
パニック発作は、患者さんにはどうにもコントロールできない発作で、死ぬほどの恐怖を体験するものです。そのために日常生活上無視できない様々な障害が出るのです。
家族や周囲の人が、「身体の病気ではないのだから大丈夫」などと言うことは、まったく患者さんを理解しておらず、かえって患者さんを追い込むことになります。パニック障害という病気を正しく理解し、治療を続けるように協力することが大切です。